015:少女漫画語るよ

 自分のHP/創作にばかりに籠っていて、なかなかブログ書くという習慣にならなくて だったんですが、久しぶりに。

 

 つれづれ感想なんですが、「すごい作品なんだけど ちょっと自分が耐性的に弱すぎて 見たことを激しく後悔しつつがたがたしながら見終わっても虚脱」みたいな作品が最近多くて(笑)、

 感想をはきださずにいられないのですが、決してdisる意味合いはないのです。

(ネタバレには配慮しているつもり)

 

○映画「秘密 THE TOP SECRET」

 清水玲子さんの少女漫画の実写化。原作未読。少女漫画だと思って完全に油断してたけどめっちゃハードな犯罪捜査モノのPG12。

 なにが年齢指定ってもういろいろあるだろうけども、個人的には脳解剖とか精神異常をきたした者の世界のシーンがめちゃくちゃつらかった。つらかった。うう(笑)。

 女性がほとんど出てこない、かつ(平和的)恋愛要素などない!!系少女漫画枠作品は、もうほんと往年の少女漫画のいいとこだけ残してえげつないですね。褒めてます。すごいと思います。

 ふつうのエンタメでこの警察内の脳記憶を使った捜査、というネタならそれこそ「PSYCHO-PASS」みたいな作品に仕上がりそうなものですが、PSYCHO-PASSがめちゃくちゃライトで救いがあるように見えてきてしまうよ。事件内容、犯行動機、(個人的には)主人公が女の子だというのも救いになるんだなぁ……! でもギノザさんとか好きなひとには「秘密」もおすすめできるような。

 

 実写というところで2点、

 まず序盤でイケメン俳優が倒れられるシーン、一瞬、くずれおちるその一瞬「え? あれ? 清水玲子さんの絵、そのままだ……三次元なのに……!?!?」となるコマがあって。

 どういうことだったのか(笑)、個人的な錯覚というよりはめちゃくちゃこだわって撮られたシーンの可能性が高いので(るろ剣の監督だし)、そこはちょっとDVDとかでまた見てみたい。

 

 2点目は脳解剖〜脳のシナプス繋ぐ、みたいなシーンですね!

 あれは! ちょっと!! あそこまで力入った実写でやられると、見てるこちらも「他人の脳をスクリーニングする」みたいな異常体験になんというか巻き込まれすぎちゃって、

 映像って、洗脳とか催眠の力も持っているものなので、いやぁ現代の技術でやりすぎると凄まじいなぁ、と……(笑)。意外と、純真な友達とかにいちばん「がっつり見ないほうがいいよ!!」と言いたくなるのはそのシーンだったりしました。

 いや、いい意味でいえば、衝撃を受ける映像シーンは多々あれど、一番すごかったのはそこです。ということ。

 

 ストーリー的にはラスト、「犬」が救いだというのが。

 ああ、あぁ、もううまく説明できないけど、こ れ が 少女漫画の醍醐味だよなぁ…! みたいな感じで、評論的に思い返すのに動悸すらしてきます(笑)。

 なにが言いたいのかこれだけじゃ意味不明ですが、なんだろう。次の作品もそうなんだけど、やっぱり普段、「女性性(へ)の救い」みたいなものを求めて少女漫画を手に取るんだよね。

 それで 登場人物から女の子排除するとか、BLGLだとか、男装女装だとか、そういった仕掛け/装置のなかで やっと、やっと自分の芯に迫るところまで深く物語を感じられるというところがあって、 そういうのが少女漫画が積み上げてきた醍醐味みたいなものだと個人的に思っているのですが。

 この映画だと「現実への救い」が「犬」なんですが(笑えん…)、……うんまじで笑えないわ……。

 

 それで(どのくらい原作通りなのか未確認ですが)、

 少女漫画(作家さん/作品)じゃなかったら、この設定で、この流れで、このシナリオはかかないだろう、というふうに感じるところが多々あって、それがすごく魅力でした。

 

 

 うん、最近読んでなかったけど、大好物なんです、少女漫画の評論とか……へんなわらいがでちゃうくらいな! こっちも思春期末期に命がけで読んでる(読んでた)からな!(笑)

 救いを求めて読んでいって、いちばん救われたのは吉野朔実さんの「少年は荒野をめざす」という作品。吉野さん、今年亡くなられたとのことで、悼むゆとりひとつなかったのですが……、 悲しいです。素敵な作品をありがとうございます。

 

 あとは喜多尚江さん。カバーの紹介とかに「中性的な作品」みたいなちょっとざっくりだけどすごすぎる評があったけど、 そう それ それ。うん。喜多尚江さんの世界はもうぜんぶ「大好物」「癒し」「オアシス」すぎて語るとおかしくなりそうなので、割愛。

 

 

渡瀬悠宇「櫻狩り」新装版

 衝撃。

 いや、人生生きてて、魂の底まで衝撃 みたいな作品に出会うことなんてそうそうないです よ。

 風と木の詩 と比べるのも本当にあれなんですが 個人的にはそれ以来くらいの感覚・震度の衝撃が。

 

 渡瀬さんといえば「ふしぎ遊戯」、とか「アラタカンガタリ」も私は好きなんですが、そ……そういうことじゃなくてだな。同人だったら間違いないくR18のドログロBL殺人大正浪漫なので、はい。

 しかしめちゃくちゃ綺麗なんですよ。

 ほんとに綺麗なんですよ。絵柄? かな、古い言葉遣いかな。雰囲気とかあとはひたすら蒼磨さんという方が。

 

 いや ちょっと 衝撃すぎて、内容語ると悲しみとか切なさでこちらまで崩壊してしまいそうでやめておきますが。読めそうなひとには間違いなく勧める。 

 同じく少女漫画枠で連載された大正浪漫BLの「ゴールデンデイズ」という作品とこの「櫻狩り」の、この受ける衝撃のベクトルの差はいったい。「BLとJUNEってどうちがうの?」と訊かれたら「そのふたつ読んでみたら」と言いたくなる気もする。JUNEは後者です!と(笑)。

 「ゴールデンデイズ」に関しては”やっぱりこれは同性愛じゃなくて友情がテーマなんだなぁ(ゲイだけど)”みたいなところがあってホントに爽やかで泣けるんですが、

 ゴールデンデイズにはさ、めっちゃかわいい男装妹(幼女)が出てくるんですよ。

 さっきから話したいのはその 少女漫画に出てくる女の子のことなんだよ。 ずっとそれが私の中、テーマになって離れないんだよ。

 

 というわけで「櫻狩り」に関してなんですが、

(ネタバレなしのつもりなのですがきわどいかも)

 櫻子様まわりの正体/真相がわかったときに、わっと全部今までのものが救われたような・許せるような感じを受けてしまって。それがいちばん読んできた自分の……腐女子の性(サガ)(?)みたいなものを感じてしまったとこで、自分で衝撃だった。

 自分はそんなに女の子が怖いか、と。

 

 櫻子様がもとのままだったら、全っ然救われなかったな、と。

 それまでの櫻子様の存在の、重いこと重いこと……。怖かったのか? 女の嫉妬とか狂気が?(幼女なんだけど) 

 

 身近に読んだ人がいたら一番感想聞いてみたいのはそこだなぁ。

 

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 という感じで「怖いもの見たさ」通り越して「逃げたい、がしかし!!!!」みたいなふうに読んでしまった衝撃作でした。

 

 ちょっと一番個人的にウワァァァな感想を言わせてもらえるなら、

 あれだよ

 絵柄 が   幻想 水 滸   伝 (小説版) すぎて

「あれ ジョ…イがいる(目の錯覚か…)」

「ジョウイがいる(確信)」

「毒殺キターーーーーー!!!」

「ごめんちょっとこれ全部トレスしてアナベル様殺害と皇帝毒殺ジョウイくん再現してもいいですか」

 

 みたいなへんな動悸がしてくるんだよ!! 助けて!!

 

 ホントにまわりくどい言い方しかできない自分に苛立つんだけど、私は知りたいんだよ! 幻想水滸伝ならジル様もナナミもあらゆるヒロイン大ッ好きなのに、ガンダムとかでも女の子キャラ(ex)ステラ)好きすぎて萌えすぎて死ぬ!!みたいになるのに、

 なんで少女漫画とかだと女の子キャラが嫌になっちゃうんだよ!

 というのが。

 

 

さいご

フジリュー版「銀河英雄伝説」2、3巻

 死ぬ。

 心臓に悪すぎる。

 ちょっと もう あの フジリュー様、私 あのヤンさんの家で猫元帥がルンバに乗ってるだけで 昇天しそうなほど幸せですから、

 

 道原かつみさんのイラストの文庫を読んでたので、もう、次 キャラがどんなキャラデザで出てくるのか 心臓に悪すぎて、

 

 もれなくフジリュー作品の「ひどいヒロイン(褒めてる)」になってるフレデリカさんとあのヤンさんとユリアンと猫元帥とキャゼルヌ先輩らへんのヤンファミリーを思うだけで ちょっともう 死ぬ 悶え死ぬ。 いい意味なのか悪い意味なのかちょっともうよくわかんないです はい。

 フジリューファンとして生きてきてよかったです。

 銀河英雄伝説に別口で出会っていてよかったです。

 こんなに いや間違いなく幸せなんですが あの 混ぜるな危険(ry

 

 ……、

 

 ロイエンタールとミッターマイヤー出てくるのも怖すぎるんだけど、 私がいちばん好きなのはもう!!!あの!!!!!

 フロイライン・マリーンドルフ伯爵令嬢なので!!!

 

 もう道原さんのキャラデザで見ていてもう、もう(割愛)、アニメ版のOPを初めてみたときのアニメ版マリーンドルフ嬢が(有名なのでずっと昔かちらりと見たことはあったんだけど)「こ の 子 か ーーーーーー!」みたいかん感じでもう、もう(割愛)、なんであんな子放っておいたしローエングラム侯、

 

 少年でもかわいい。女の子になってもかわいい。

 ざっとフジリュー作品を脳内検索して出てくる男装少女/少年風少女が  ニキちゃん?(?) あれ? ニキちゃんだけ だと 心配すぎる ヒーホーとか富良兎ちゃんとか素晴らしすぎる女の子キャラいっぱいいるのになぜ

 

 それでめちゃくちゃ怖いんです。

 マリーンドルフ嬢は あああでもフジリュー的なキャラ崩壊とか暴走ヒロインも見てみたいし すみません黙ります。

 

(語り口比べると、ああ、うん、今めちゃくちゃ好きな作品なんだなぁ、と…笑)

 

 

おまけ

あきづき空太赤髪の白雪姫

「え あれ 意外とこういうふつうの(?)花ゆめ作品読んでみたらいいんじゃね?」と今更手に取った話題作。

 もう、絵が、すごい好き。

(ちなみに好きな絵柄って高河ゆんさんと渡瀬悠宇さんなんですが)

 

 素敵な王子様がふっつうに出てくる等で、そこが今はもうちょっときつくて「ふつうの少女漫画アレルギー」ってこれかと再認しそうなところもあって、続き読めそうになかったものの、

 なかったものの!!

 

 声優の早見沙織さんの歌声が大好きだったんです。ずっと。

 知らないアニメのキャラソンとか、声を求めてずっと聴いてて(笑)。

 

 その早見さんが 知らなかったんですが この「赤髪の〜」の主題歌で満を持してソロデビューなさっていたとのことで。

 その歌がもう、早見さんの歌声がもう、聴けるのが嬉しいのか好きだから聴いてるのかもうよくわからんけどめっちゃ好きで(笑)、これはもう原作/アニメも追ってみるしかないだろ、というところに着地しました。

 ふしぎな出会いでした。

 

 

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 いやほんと「櫻狩り」の衝撃から立ち直れないし、

 誰か読んでみて(笑)。

 

 最後に何言うんだよって感じですが (そもそも)恋愛沙汰、エロ、流血、病的なもの/人物がどうにも……苦手で……(となると「櫻狩り」とか完全に”なぜ読んだし”案件なんですが)。

 それでもそういう世界にハマってしまって、出てきたときに、

 

 自分はどういうものを創っていきたいのかな、と、まったく違う視野/斬りこむ視点が得られていて、目が開けます。

 私は そうだなぁ、 やっぱり明るいものが好きだと思う。